移住者への呼びかけが疑問でした2021/03/09

庭の椿。2012年にほぼ枯れていたのを剪定して植替え、9年目にして復活の開花です。
私が文章や絵を書くことは今までも紹介してきましたが、
この趣味と言うか特技というかを、収入に繋げられれば……

私は無職で、障碍者雇用・生活支援センターでも心無い対応をされてしまって、
その後のコロナ禍で就職を諦めていたけれど、先週ふと思ったのです。

地域のフリーペーパーで、ライターとかイラストレーターとして
非正規でもいいから採用してもらえる見込みは無いかなあ。

それで、ネットで調べてみたんです。

地域のフリーペーパーはいくつかあるので、会社やバックナンバーとか色々見ていたら、結局、非正規でも無理だと分かったのですが、
とても気になる記事を目にしてしまったのです。

「県内には大きく2種類の方言があります。方言を使うと親しみを持たれる一方で、方言を使わない人に対しては、『上から目線』と受け取られがちです。県外からの移住者の皆さんは気を付けたいですね」

私は、物凄く違和感を持ちました。

呼び掛けるべきは、
「県外移住者の皆さんも方言を使おう」ではなく、
県民に対して、
「方言を使わない人に対する偏見はやめましょう」
であるべきじゃないですか?
そう思いませんか?


私は方言を喋れません。
耳で聞いたり文字で読むのは分かるけれど、
自分で文章に書くことも出来るけれど、
自分で喋ることはできません。

苦い思い出があります。

小学校の頃、クラスの女子は自分の事を「うち」と言っていたし、
私の母親もそうでした。

けれど、私は「わたし」と言っていたし、
他の方言も一切喋らなかったので、気取っていると思われていたのです。

なぜ方言を喋らないのか、自分でも分からなかったけれど、
当時の私の分析では、
周囲の人達との会話というよりも、テレビや本で言葉を知ったからではないかと思っていました。

成人して社会人として働くようになっても、方言を使わない事で、
わざと共通語を話して自分を良く見せようとしているみたいに思われていたようです。
特に、私はタメ口も使えずに、誰に対しても丁寧語だったから。


自閉症スペクトラム障害と診断されてから、
色々と調べる中で知ったのは、
自閉症の場合に方言を喋らない事は広く知られている、ということ。

私が幼い頃から方言を喋らずに共通語の丁寧語だったのは、
私が自閉症スペクトラム障害だったからなのだと知ったのです。

人は皆、自分の物差しで相手を図ります。
自分と違うように感じるからと言って、相手を偏見の目で見るのはやめて欲しい。
そういう偏見を、県民性だと言って野放しにしないで欲しい。

多くの人は故郷を愛していますよね。
けれど、私は故郷を愛したくても愛せない。

幼い頃から孤独で、
ありのままを受け入れてもらえなかった私には、
故郷は無いも同然。

私の故郷になってくれる人も見つけられずにいます。