三浦春馬さんの死2020/07/20

Flowers for ……
一昨日、俳優の三浦春馬さんが亡くなった。
4月5日に30歳になったばかりだという。
謹んで哀悼の意を表したい。

私は、特にファンというわけではないし、ひきこもっているので映画もあまり見ていないし、TVドラマもそんなに見ない。
けれど、昨日まで元気そうに活躍していた若い人が、自ら命を絶ったと思われるというのは、本当にショックだった。

私が三浦春馬さんを初めて知ったのは、2008年のTBSドラマ。
三浦春馬さん初主演で、佐藤健さんと共演していた「ブラッディ・マンデイ」を毎週楽しみに見ていた。
NHK「世界はほしいモノにあふれてる」も時々見ていた。
昨日はTVで詳しい報道は無かった。ネットならあるだろうと思ったけれど、興味本位の記事などは見たくなかった。

今日、昼の情報番組で取り上げられていた。留学先で、ルームメイトに涙を見せて悩んでいたという。東スポWebに書かれていた記事は、もし本当であれば、哀しすぎる。
私は涙を止められなかった。
知らない人はいない程の人気俳優なのに。
そこに至るまで、どんな苦しみを一人で抱えていたのだろう。

芸能人は、24時間衆人環視に等しい。ちょっとした事で、マスコミやネットで叩かれる。芸能人も人間なのに、仕事とは関係のないプライベートも記事にされる。刑事事件を起こしたわけでもないのに、家庭内の問題などは他人がとやかく言うべきではないと思うのに、週刊誌は付け狙い、ワイドショーのネタにされる。
常に聖人君子であらねばならないとでも言うように。

私は、教員という仕事を長年していた為に、地域では顔と名前がけっこう知られていた。
特に小さな町の学校に勤めていた頃は、夕方買い物に行くと、買い物カゴの中身がバレバレで、「先生、今日の夕ご飯は魚ね?」などと言われ、レジに行く前にカゴの中身を吟味しなければならなかった。
同僚は、冠婚葬祭事典を買っただけで、「来週の大安は結納らしい」という噂が地域に広まったという。教員たちは、恋人が出来ても、わざわざ他県でデートするという。私は、どこかに似た人がいたらしく、「昨日の日曜、車でデートしてたやろ」と生徒に言われたことがある。火が無くても煙が立つのだ。

県内のあちこちの病院などには、かつての生徒が何人も居て、更年期障害の治療のために近所の産婦人科病院に行ったら、未婚か既婚かどころか性交頻度まで記入しなければならず、「一体なんでこんな質問まで答える必要があるよ!」と内心怒りながら仕方なく記入していたら、受付の看護師が、「(月)先生! (月)先生ですよね。覚えてます? 私○○中学校で先生の授業受けたんですよ」って、超恥ずかしい思いを。

担任した生徒なら忘れないけれど、週に2時間程度の授業をした生徒は数え切れない。全員を覚えているのは無理。それに、先生は既に大人だからあまり容貌が変わらないが、中学生は大人になったらほぼ別人ということもある。さらに、そんな生徒達の保護者の顔までは到底分からない。
不特定多数の人に知られているというのは、ある意味脅威だ。どこで誰が見ているか分からない。私は、大学時代までは書店でよく立ち読みをした(その何倍も購入した)が、教員になってからは、一度もしていない。教員として、常に模範でなければならないと思ったから。それに、
「(月)先生が○○書店で立ち読みしてた」なんて噂になったら恥ずかしい。

しがない地方の教員でさえ、それほど人目が気になるのだ。
人気俳優の日常がどれほど神経を使うものかは、想像に難くない。

真面目で努力家で誠実で、繊細な方だったという三浦春馬さん。
今後どれだけ多くの活躍があったかしれないのに、誰にも相談できずに命を絶ってしまった。未来を閉じてしまった。
辛さを表に出せなかった苦しみを想うと、胸が張り裂けそうになる。

どうか安らかな眠りにつかれますように。

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