残酷な神の支配するこの哀しい世界に……2020/06/14

黄昏の美しい空
日々のニュースを見るたび、心が痛くなる。知名度も財力も発信力も体力もない私には、どうすることもできないし、世界を変える力になんてなれない。人づきあいや目立つことが苦手な私は、環境活動家のグレタさんのようにもなれない。誰かの協力があれば、もしかしたら何かできるのだろうか。

今一番多くの被害を出している新型コロナウイルス(CVID-19)は、もちろん最大の関心事であり、特に、世界中で起きている高齢者施設や低所得者居住地域での集団感染は、心が痛んでならない。世界が一つになって助け合えたらと思うが、今は先進国も自国のことで精一杯で、時間的にも経済的にも人員的にも余裕がない。
世界には国家予算にも匹敵するような財力を持つ途方もない資産家がいるらしい。貧困層が増える一方で富裕層も増え、国際NGO「オックスファム(Oxfam)」によると、世界の最富裕層26人が、世界人口のうち所得の低い半数にあたる38億人の総資産と同額の富を握っているという。

【参照】
世界の超富裕層26人、世界人口の半分の総資産と同額の富を独占
2019年1月21日 14:19 発信地:ダボス/スイス [ スイス ヨーロッパ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3207339

是非その方々にお願いしたい。どうか世界を救ってください。世界の難民や貧困層に手を差し伸べてください。どうか、経済的な援助を。
だって、お金は天下の巡りもの。それでこそ生きるものなのだから。

世界は混迷を極めている。
黒人問題は歴史が長く根が深い。先住民問題も然り。救いは、世界中で抗議活動が巻き起こっていることだ。日本でも、長く存在しないものとして扱われてきたアイヌ問題に、漸く光が当たり始めている。制度や法律が改進されても、差別的な言動をしてきた人達の心がすぐに変わるわけではないし、時間はかかるだろうけれど、きっと良い方向へと進んでいく。そう願いたい。

台湾や香港、ウイグル問題やチベット問題などのことを思うと心が痛む。
中華思想。かつて中国は確かに世界の中心であったかもしれない。思想や技術や芸術や、日本も含め多くの国がその恩恵に与った。でも、子供達は成長すれば親元を離れて自立するもの。スポーツの世界でも、師を越えることこそが最大の恩返しだと言う。いかに優れた父親でも、いつまでも子供を縛るべきではない。
中国は内政干渉だと言うけれど、それでは、国家権力は自国民に何をしても許されるというのか。国家体制存続のために国民があるのではない。国民の幸せのためにこそ国家はあるべきなのだ。

戦前の日本は、内閣とは名ばかりの軍部の傀儡政権により、世界が変わろうとしていることも気付かずに軍国主義を暴走させ、自国民を犠牲にし、世界中に迷惑をかけ、大きな過ちを犯した。
でもね、日本全土を焦土にした空襲、そして、沖縄、広島、長崎、あれは本当に必要だったの? もちろん、多大な被害をひた隠しにし、勝利のみをアピールして、二つの原爆を投下されるまで暴走を止めなかった軍部が悪い。けれど、空襲や原爆による死傷者の大半は老人や子供や母親達だった。私の父も、中学を卒業して就職した先で東京大空襲にあい、黒焦げの死体の山を縫って逃げ伸び、帰郷すると、今度は延岡大空襲で再び焼け出された。幸い家族は無事だったものの、極貧から死に物狂いで立ち上がらねばならなかった。(父の話はまた別の機会に)
今はアメリカ大好きな日本。複雑な気持ちになる。
でも、もし万が一、日本があの戦争に勝っていたら、今の日本は、そして世界は、大変なことになっていたかもしれない。
その意味では、アメリカに感謝せねばならない。戦時下では様々な理不尽もあったにせよ、アメリカという国が、そして多くのアメリカ人が、基本的には博愛に満ちていたことに感謝しよう。
アメリカにお願いしたい。世界平和の番人たる力を思い出してと。2つの大国に挟まれた日本、過去の過ちを背負った日本には、残念ながらその力は望めないだろう。
どうか、中国と対立する北風ではなく、頭脳と政治力で南風になってください。1位と2位の経済大国の関係悪化は、世界に不幸しかもたらさないのだから。

残念ながら、日本国内でも、この先大きな不幸を招きそうな問題がある。人手不足が進む日本では、都市部に限らず地方でも外国人労働者に多くを担ってもらっている。それなのに、日本では、そうした外国人労働者に対する意識や制度があまりにも遅れている。
かつて日本も貧しいころに、多くの労働者が夢を抱いて移民となり、現地で大変な苦労をしたという。提供された夢の新天地が実は荒れ地やジャングルだったり、差別や偏見を受けたり、現地で国民として受け入れられるまでには苦難の連続だった話も聞く。
だからこそ、外国人労働者に過酷な労働条件を強いたり、賃金を決められた通りに払わなかったり、子供たちが教育を受けられなかったり、そんなことは絶対にあってはならない。日本人と同等にしなければ、日本にとっても外国人労働者にとっても、大きな不幸となる。
国籍に関わらず、誰もが幸せになれる国であって欲しい。世界に誇れる歴史と伝統と文化を持った国なのだから、世界に誇れる幸福の国であって欲しいと切に願う。戦前のかつての日本がそうであったように。

歴史の中で幾度となく繰り返される悲劇。自然災害によるものもあるけれど、戦争や内戦や差別や偏見など人災も多い。日本で平和に暮らせているように感じても、世界のどこかで悲劇が起こっている。
どうして世界は、こうも複雑で悲劇に満ちているのだろう。
世界を複雑にしたのは人間。好戦的で差別や偏見を抱くのも人間自身。でも、人間をそのように作ったのは人間ではない。根底にあるのは、命に刻まれた未知のものへの恐怖らしい。恐怖ゆえに、人はシンプルに平和に暮らすことができないのだろうか。

これまでも、日本はもちろん世界の多くの人達が、自分の命を顧みずに頑張ってきた。ペシャワール会中村哲医師のように。だからきっと、少しずつは良い方向に向かっているはずだと思うけれど、世界は未だ残酷で哀しい。

残酷な神に支配されているとしか思えない、哀しすぎるこの世界。空や海は輝き、山や谷は絶景で、風が吹き、花は美しく、小鳥もさえずる。けれど、この地上に生きる人間達は、どうしてこうも愚かで哀しい生き物なのか。
同じ空の下で、同じ空気を吸い、姿形も大差ないというのに、何を守るために争い傷付けあうのだろう。
どうすれば世界の弱い立場の人々が笑顔で安心して暮らせるようになるのだろうか。
私には分からない。

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